前職で13,000件以上の見積もりを見てきた中でも、この面積の違いに戸惑われる方は本当に多いんですよね。単価だけを見て「ここが一番安い」と決めてしまうと、後になって工事内容の違いに戸惑うことにもなりかねません。
実は、外壁の面積の出し方には「壁芯計算」と「実測」という大きく分けて二つの方法があって、さらに窓やドアなどの開口部をどこまで差し引くかも業者によって考え方が違います。同じ家を測っても、数字が一致しないことのほうがむしろ普通なんです。
忘れられないお話があるんです。長野県にお住まいのお客様が3社から見積もりを取ったところ、施工面積が130㎡・148㎡・162㎡とバラバラで、「一番安い業者に決めていいのか、逆に不安になった」とお電話をくださいました。
話を伺うと、㎡単価は各社ほぼ横並びだったのに、面積の出し方の違いだけで総額に大きな差が出ていたんです。安い会社が手抜きをしているのではなく、開口部を大きく差し引く計算方法を採用していただけだったという、よくある誤解でした。あのときのお客様のほっとした声を、今でも覚えています。
こういう時は、面積の大小や総額だけで比べるのではなく、「延床面積に対してどのくらいの掛け率で面積を出しているか」「開口部控除の基準」を業者に確認していただくのが確実です。多くの業者は聞けば普通に教えてくれますし、それを嫌がる業者には少し注意を向けてもいいかもしれません。
弊社の加盟店選定でも、面積の算出根拠を明記できない業者は評価を下げるようにしています。可能であれば、複数の業者に同じ図面を渡して見積もりを依頼すると、条件が揃いやすくなるはずです。
業界に身を置いて20年近くになりますが、面積の計算方法そのものに正解・不正解があるわけではないと感じています。大事なのは、その数字がどう出されたのかを業者がきちんと説明できるかどうかだと思っています。これは面積に限った話ではなく、外壁塗装の見積もり全体に言えることだと思っています。
見積書の一番上の数字だけを追いかけて一喜一憂するのではなく、その根拠を尋ねてみる。それだけで、外壁塗装の相見積もりはずいぶん見えやすくなるはずです。