外壁には24時間換気システムの給気口や、浴室・トイレの換気扇の外部フードなど、小さな穴がいくつも空いています。ほとんどのお客様は、その存在すら普段意識していません。私も前職で初めてこの話を耳にしたときは、「そんな小さな穴が問題になるのか」と半信半疑でした。
でも実際に現場を見せてもらうと、養生(ようじょう)のテープをそのまま塗料でコーティングしてしまい、フードの隙間が完全にふさがってしまっているケースがあるんです。マスキングを外し忘れる、あるいは塗料が固まって開閉部が動かなくなる。どちらも珍しいことではありません。
長野県にお住まいのお客様から、外壁塗装が終わって半年ほど経った頃にお電話をいただいたことがあります。「最近、窓の結露がひどくて、カビも出てきたんです」と。原因をたどっていくと、浴室乾燥機の外部フードが塗料でふさがれたままになっていて、排気がうまくできていなかったことが分かりました。
そのお客様は「工事が終わった後にこんなことになるなんて思わなかった」とおっしゃっていて、私はその言葉が今でも心に残っています。塗装そのものは綺麗に仕上がっていたので、余計に見えづらかったんですよね。仕上がりの美しさと、機能がきちんと生きているかどうかは、別の話なんだと痛感した出来事でした。
職人さんは基本的に「塗り残しなく、綺麗に仕上げる」ことに集中しています。それ自体は当然のことですし、悪いことでは全くありません。ただ、換気フードのような可動部分は、養生を外して動作確認をするというひと手間が必要で、そこまで工程に組み込まれていない現場も一定数あるようです。
弊社が加盟店の皆さんと工事仕様を確認する際にも、「換気口の養生と復旧確認」という項目が明記されているかどうかは、業者によって差があります。仕様書に書かれているかどうかを、契約前に確認しておくことをお勧めしたいです。
工事が終わったら、換気扇を実際に回してみて、外の給気口や排気口のあたりに手をかざしてみてください。風の動きを感じられれば、まず問題はないと思います。逆に、塗膜でフードの羽根が固まって動かないようであれば、遠慮なく施工業者に伝えていただきたいんです。
こうした小さな確認ひとつで、後々の結露やカビ、それに伴う建材の傷みを防げることがあります。同じ思いをするお客様をもう一人でも減らしたいという気持ちで、今日はこの話を書かせていただきました。