中古住宅を購入されたお客様の多くが、まず引っ越しや家具の搬入、子どもの転校手続きなどに追われます。外壁の状態は二の次になりがちで、「住みながらでも工事はできるから」と後回しにしてしまう。これは自然な流れだと思います。
ただ、住み始めてからの工事には、住みながらだからこその制約がついてきます。
前職の頃、埼玉県のあるお客様を思い出します。中古で購入された一戸建てで、引っ越し前に「外壁、少し傷んでますね」とお伝えしたところ、「入居前にお願いします」と即決されました。家具も人もいない状態だったので、足場を組む際の動線も、洗濯物やペットへの配慮も気にする必要がなく、工期も普段より短く済んだんです。担当した職人が「養生がしやすくて助かる」と話していたのを覚えています。
逆に、住み始めてからのご依頼だと、工事期間中の生活動線を業者と細かくすり合わせる必要が出てきます。洗濯物を干せない日が続いたり、来客時に足場が視界に入ったり、小さなストレスが積み重なっていくものです。
一方で、長野県のお客様からいただいたご相談も忘れられません。中古住宅を購入されて数年住まれてから、「そろそろ外壁が気になってきた」とご連絡をいただいたのですが、購入当初から劣化が進んでいたようで、下地の傷みにまで手が回ってしまっていました。入居前であれば塗装だけで済んだかもしれない工事が、下地の補修まで含む大きな工事になってしまったんです。
「あの時、業者に相談していれば」とおっしゃっていたのが印象に残っています。
中古住宅を購入される際は、多くの場合インスペクション(建物状況調査)や仲介業者からの情報で、外壁の状態をある程度把握できます。そこで少しでも傷みが指摘されていたら、引っ越し前に一度、外壁塗装の専門業者に見てもらうことをおすすめしたいです。工事費用がかさむと感じるかもしれませんが、住みながらの工事による生活への負担や、劣化が進んでからの補修費用を考えると、入居前のタイミングで手を打つ方が、結果的に負担が小さくなる場合が多いように感じています。
もちろん、資金計画の都合で今すぐは難しいという方もいらっしゃると思います。その場合も、劣化の状態だけは早めに把握しておくことが、後々の判断材料になるはずです。