蓄電池もV2Hも、外壁に専用の配線や配管を通す工事が必要になります。分電盤からの引き回しをどのルートで通すか、業者さんによって考え方が違うのですが、外壁塗装より後に電気工事を入れると、せっかくきれいに仕上がった外壁に新しい穴を開けることになってしまうんです。
これ、私が前職の頃に何件か見てきた光景でして。塗り立ての外壁にドリルの音が響くのを、お客様が複雑な表情で見守っていらっしゃったのを覚えています。「先に言ってくれたら」というお声を、正直何度もいただきました。
足場代がかかるという話は他の記事でも触れましたが、蓄電池やV2Hの屋外機器は基本的に地面に据え付けるタイプが多く、足場そのものは必須ではありません。ただ、配線を外壁の高い位置から取り回す設計だと話が変わってきます。
茨城県のお客様から伺った話なのですが、外壁塗装の契約時に「将来V2Hを検討している」と一言業者に伝えていただけで、配線予定ルートに合わせて先に下地を整えてもらえたそうです。工事そのものは別日でも、足場のあるタイミングで“仕込み”だけ済ませておく。こういう小さな段取りの差が、あとになって効いてくるんですよね。
蓄電池やV2Hには自治体の補助金が出ることがあり、申請から交付までのスケジュールが外壁塗装の工期と合わないケースも見かけます。補助金の交付決定前に着工してしまうと対象外になる制度もあるので、これは業者よりもお客様ご自身が一番よく調べていらっしゃることが多い印象です。
ただ、外壁塗装の担当者側がそのスケジュール感を知らないまま話を進めてしまうと、結果的に二度手間になることがあります。私は打ち合わせの最初の段階で、電気設備の導入予定があるかどうかを必ずお聞きするようにしています。聞くだけなら一分で済みますから。
正直なところ、外壁塗装の業者は塗装のプロであって、電気設備のプロではありません。なので蓄電池やV2Hの工事会社と外壁塗装の業者、両方から話を聞いて、ご自身でどちらを先にするか決めていただくのが一番だと私は思っています。
業界に身を置いて長いのですが、こういう「複数の工事が絡む場面」ほど、業者任せにせず一度立ち止まって全体を俯瞰していただきたいと感じます。弊社でも、加盟店には電気設備系の工事予定がないかを事前確認するよう伝えていますが、それでも抜け漏れはゼロにはできません。最後に確認するのは、やはりお客様ご自身の目なんです。