天窓のあるお宅にお邪魔すると、やっぱり室内の明るさが違うなと感じます。北向きの部屋でも日中は照明がいらないくらい光が入ってきて、施主様が満足されているのもよく分かるんですよね。ただ、屋根に穴を開けて窓をはめ込んでいる構造なので、そのまわりのシーリング(コーキング)や板金の状態は、平らな屋根面よりもシビアに劣化が進むことが多いというのが、現場を見てきた実感です。
紫外線と雨、それに温度差による伸縮を毎日繰り返し受け続ける部分なので、10年、15年と経つうちにシーリングが痩せてひび割れてくることがあります。ここが外壁塗装や屋根塗装の見積もりの中で、うっかり後回しにされやすい箇所だと感じています。
前職で相談を受けたお客様のお話です。新潟県にお住まいで、築17年の一戸建てにリビング天窓が付いているお宅でした。外壁と屋根の塗装工事を終えて半年ほど経った頃、天井にうっすらとシミが浮いてきたとご連絡をいただいたんです。
調べてみると、原因は天窓まわりのシーリングの劣化でした。工事の際、業者は屋根面と外壁面はしっかり塗ってくれていたのですが、天窓のサッシと屋根材の取り合い部分のシーリング打ち替えは見積もりにも工事内容にも入っていなかったんですね。お客様は「外の工事だから、天窓の中まで気にしていなかった」とおっしゃっていました。雪の多い地域だったこともあり、融雪や凍結の負荷も重なっていたのだと思います。せっかく足場を組んで工事をしたのに、また別の機会に天窓まわりだけの補修工事を頼むことになってしまい、申し訳なさとやるせなさが入り混じったお顔を、今でも覚えています。
天窓まわりのシーリング打ち替えは、足場があるからこそ効率よくできる作業です。逆に言うと、足場を外したあとに「あそこも直したい」となると、天窓のためだけに再度足場を組む、あるいは高所作業車を手配することになり、費用も手間も余計にかかってしまいます。
ですので、天窓があるお宅であれば、見積もりの段階で「天窓まわりのシーリングや板金も点検・見積もりに含めてもらえますか」と一言添えていただくのが良いと思っています。図面や現地調査の際に業者が触れてこないようであれば、こちらから聞いてみる。それだけで、工事内容に含まれるかどうかがはっきりします。
天窓は屋根材のメーカーとは別に、天窓専用のメーカー(サッシメーカー)が施工基準を定めていることが多く、指定外の材料やシーリングの打ち方をしてしまうと、天窓メーカー側の保証が切れてしまう場合もあります。屋根や外壁の塗装業者が、天窓についてもきちんと知識を持っているかどうかは、事前の打ち合わせで質問してみると分かってくることが多いです。
「天窓は今回の工事に含まれますか」「メーカーの施工基準は確認していますか」。こうした質問に、はっきり答えてくれる業者さんであれば、安心して任せられる可能性が高いのではないかと思います。