新築住宅には、住宅瑕疵担保履行法に基づく10年間の保証が義務付けられています。ただこれは、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限られたもので、外壁の塗膜そのものの劣化は対象外なんですよね。多くのお客様がこの範囲を「家全体を10年間丸ごと守ってくれるもの」だと捉えていて、そこに最初のすれ違いが生まれます。
前職で担当した千葉県のお客様がまさにそうでした。新築6年目、コーキングの痩せが気になって塗装業者に相談したところ「今のうちにやっておいたほうがいい」と勧められ、契約直前になって「保証中に他社が触っても大丈夫なのか」とお電話をいただいたんです。
ここが一番お伝えしたいところです。新築時の防水保証は、サッシまわりや外壁と屋根の取り合い部分など、雨水浸入に関わる箇所を含んでいることが多く、そこに第三者の業者がコーキング打ち替えや高圧洗浄で手を加えると、ハウスメーカー側の保証対象から外れてしまうケースがあります。
先のお客様の場合、ハウスメーカーに確認してみると「防水に関わる部分は弊社施工分でないと保証対象外になります」とのお返事でした。塗装業者側はそこまで説明してくれていなかったので、契約直前で気づけたのは幸いだったと今でも思っています。逆に言えば、確認せずに進めていたら、いざ雨漏りが起きたときに「どちらの保証も使えない」という一番困った状態になっていたかもしれません。
保証期間中に外壁塗装を検討される場合は、まず新築時にもらった保証書を引っ張り出して、対象範囲と免責事項に目を通していただきたいんです。「第三者による施工があった場合は保証対象外とする」といった一文が入っていることは珍しくありません。
不安であれば、ハウスメーカーの窓口に一本電話を入れて「外壁塗装を予定しているが、保証への影響はあるか」と聞くだけで済む話でもあります。業界に身を置いて20年になりますが、ここを飛ばしてしまう方は本当に多い印象です。
だからといって「保証が切れるまで何もしない」というのも、コーキングの劣化を放置することになり別の後悔につながりかねません。防水に関わらない外壁面の塗装だけを先に行い、サッシまわりや取り合い部分の補修は保証終了を待つ、といった工程の切り分けを提案できる業者かどうかも、選ぶ際の一つの目安になると思っています。
私たちは、こうした保証との兼ね合いも含めて中立な立場で情報を整理できる窓口でありたいと考えています。お客様が一人で保証書とにらめっこして悩む時間を、少しでも減らせたらというのが正直な願いです。