山梨県にお住まいのお客様から、契約後にこんなお電話をいただいたことがあります。「たまたま別のリフォーム会社のブログを見ていたら、うちが依頼した業者のホームページに載っていたのと同じビフォーアフター写真が出てきたんです」と。角度も、映り込んでいる植木鉢の位置まで同じだったそうです。
そのお客様は工事自体には特に不満がなかったのですが、「実績として見せられていた写真が、実は自社の工事ではなかったかもしれない」と分かった瞬間、それまでの信頼が少し揺らいでしまったとおっしゃっていました。私自身、前職で数えきれないほどの業者のホームページを見てきましたが、こうした写真の使い回しは、実はそれほど珍しい話ではないんですよね。
創業したばかりで自社の施工実績がまだ少ない会社が、業界団体や塗料メーカーが配布している施工事例の写真、あるいは以前所属していた会社時代の写真を、そのまま自社の実績として掲載してしまうケースがあります。悪気なく「イメージとして分かりやすいから」という感覚で使っている場合もあれば、実績を大きく見せたいという意図で使っている場合もあり、そのあたりの線引きは外からはなかなか見えません。
写真を使い回している会社がすべて悪質というわけではないと思います。ただ、施工件数や経験年数を判断材料にしているお客様からすると、実態と違う印象を与えてしまうという点で、できれば避けてほしいことだと感じています。
私がお客様にいつもお伝えしているのは、写真を見て終わりにせず、「この現場はどちらの地域でしたか」「築何年くらいのお宅でしたか」と一言聞いてみてほしいということです。実際にその業者が手がけた工事であれば、担当者は詳細をすらすらと話せるはずです。逆に言葉に詰まったり、話がふわっとしていたりする場合は、少し注意して見た方がいいかもしれません。
先日も、加盟店の一社が施工実績ページを作る際に、必ず現場の地域(番地は伏せて)と施工年月をセットで載せるようにしていると聞きました。細かい手間ではありますが、そうした積み重ねが、お客様の安心につながっていくのだと思います。
誤解のないようにお伝えしたいのですが、施工実績の写真そのものが不要だと言いたいわけではありません。むしろ、自社で撮影した生の写真をきちんと蓄積している会社は、それだけ現場に真剣に向き合ってきた証だと思っています。大切なのは、写真の枚数や見栄えだけで判断せず、その裏側にある「本当にこの会社が積み重ねてきたものなのか」というところまで、少しだけ目を向けてみることなんですよね。
業界に身を置いて20年になりますが、こうした小さな違和感を見過ごさずに一言聞いてみる方ほど、結果的に良い業者と出会えている印象があります。