外壁塗装の工事に入ると、まず足場を建てるところから始まります。玄関の庇や壁に取り付けられた防犯カメラ、センサーライト、インターホンのカメラ部分などは、足場材が干渉したり、塗装や高圧洗浄の水がかかったりする位置にあれば、いったん取り外されることが多いんです。
取り外し自体は工事上仕方のないことなんですよね。ただ、これを「誰が」「いつ」元に戻すのかという取り決めが、契約書にも見積書にも書かれていないケースを何度も見てきました。職人さんの認識では「施主様が業者に頼んで直してもらうもの」、お客様の認識では「工事に含まれているはず」というすれ違いが起きやすい部分なんです。
以前、長野県にお住まいのお客様から、工事が終わって一ヶ月ほど経った頃にお電話をいただいたことがあります。夜、車庫まわりが真っ暗になっていることに気づき、よく見るとセンサーライトの配線が足場撤去の際に外れたままになっていた、というお話でした。
幸い大きな被害はなかったのですが、「工事中はずっと家を留守にしていたので、いつから点いていなかったのか分からなくて怖かった」とおっしゃっていたのを、今でも覚えています。ご高齢のご両親と二人暮らしのお宅で、夜道を照らすライトが消えていた期間があったと知った時は、こちらも胸が痛みました。
あまり語られないことですが、防犯カメラが稼働したまま工事が始まると、職人さんの姿や会話も録画され続けることになります。休憩中の雑談や、脚立の上り下りの様子まで記録されるわけで、これを快く思わない職人さんもいるんですよね。
工事前の打ち合わせで「カメラは稼働させたままにしますか」を一言確認しておくだけで、お互い気持ちよく工事を進められる場合が多いように感じています。
現地調査の際に、玄関先やベランダにカメラ、センサーライト、Wi-Fiルーターのアンテナなど外壁に取り付けられた機器がないか、業者と一緒に一度歩いて確認しておくことをお勧めしています。
そのうえで、取り外しと再設置の作業が見積もりに含まれるのか、含まれないなら誰が手配するのか、見積書か工程表にひと言添えてもらう。これだけで、工事後の「あれ、直ってない」を防げます。