見積書を見ているときは、足場代というのは一行の項目に過ぎません。でも実際に設置されると、家の周囲をぐるっと囲むように鉄パイプが組まれて、資材を運ぶために駐車スペースのすぐ横を何度も人が行き来することになります。
解体のときも同じで、長いパイプを一本ずつ運び出す作業がありますから、車の横をすり抜けるように動く場面が出てきます。ここで、ふとした拍子に車体をこすってしまったり、カーポートの屋根材に足場の金具が当たってしまったりすることが、実際のところゼロではないんです。
長野県のあるお客様から、足場を解体してもらった翌日にお電話をいただいたことがあります。「玄関前に停めていた車に、こすったような傷がついているんです」と。工事中は特に何も言われなかったそうで、ご本人も最初は自分でぶつけたのかと思って様子を見ていたそうなんですが、洗車をしていて傷の位置が明らかに足場の支柱が立っていた側だったことに気づかれたそうです。
こういう時、業者側がすぐに現場を確認し、工事前後の写真を照らし合わせて「この時期に付いた傷かどうか」を一緒に確認してくれるかどうかで、その後の空気はまったく違うものになります。あのお客様の場合は、施工会社の担当者が翌日には自宅まで来てくれて、傷の状態を見ながら「うちの作業で付いた可能性が高いと思います」と認めてくれたことで、修理費用の話もスムーズに進みました。逆に、はっきりしない態度を取られてしまうと、工事そのものへの信頼まで揺らいでしまうんですよね。
見積もりの段階で聞きにくいことかもしれませんが、「足場工事中に何かあった場合、どう対応されますか」と一度尋ねてみてください。加入している損害保険の種類まで答えられる業者は、現場の管理体制もしっかりしていることが多い印象があります。
逆に、質問したときに曖昧な返事しか返ってこなかったり、「そんなことは今まで一度もないので大丈夫です」と言い切られてしまったりする場合は、少し気を付けて見ておいた方がいいかもしれません。
契約の前に、駐車場所の希望を伝えておくこと、そして工事が始まる前に車やカーポート、植木の状態を写真に残しておくことは、それほど手間もかからずできる備えです。
足場が上がっている数週間、車をどこに置くか、家族の送迎はどうするかといったことまで、事前に打ち合わせておくと、工事期間中の気持ちの余裕もずいぶん違ってくるはずです。