外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りという3つの工程を経て仕上げていくのが基本です。ただ、この3回とも同じ色の塗料を使う業者さんも珍しくなくて、そうなると足場の上から見ていても「さっきと同じ色に見えるけど、本当に塗り重ねてくれているんだろうか」と不安になってしまう方が結構いらっしゃいます。
お客様からすると、お金を払って頼んでいる工事なのに、進み具合が目で確認できないというのは落ち着かないものだと思うんです。工程表に「本日中塗り」と書かれていても、壁を見た印象は前日と変わらない。そのギャップが不信感につながってしまうことがあるんですよね。
長野県のお客様から以前こんなお電話をいただいたことがあります。「昨日も今日も壁の色が全く同じに見えて、手を抜かれているんじゃないかと心配になった」というご相談でした。実際に現場を確認しに伺うと、職人さんはきちんと決められた回数を塗ってくれていて、工程自体には何の問題もなかったんです。
ただ、その現場では下塗り材の色と上塗り材の色がほぼ同系色だったこともあり、離れて見ると違いが分かりにくい状態になっていました。腕のいい職人さんの中には、あえて下塗りと中塗りの色をわずかに変えて、お客様が見ても進捗が分かるように配慮してくれる方もいます。こういう小さな気配りの差が、業者選びでは案外大きい意味を持つんだなと、その一件で改めて感じました。
最近は各工程の写真を残してくれる業者さんも増えてきましたが、写真だけを渡されても、素人目には違いが分かりづらいことがあります。そんな時は遠慮せず「この写真、下塗りと上塗りで色を分けていただけますか」「今日はどの工程か教えてください」と聞いてみてほしいんです。
こうした質問に嫌な顔をせず、むしろ丁寧に説明してくれる業者さんかどうかは、工事全体の姿勢を測るひとつの目安になると思っています。逆に質問をはぐらかされたり、面倒くさそうな対応をされたりした場合は、少し立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。
同じ色での重ね塗り自体が悪いわけではありませんが、お客様の不安を減らす工夫ができる業者さんかどうかは、日々の対応の端々に表れてくるものです。工程の見え方について気になったら、その場で聞いてみる。それだけで随分と安心感が変わってくると思います。