外壁塗装には足場が欠かせません。けれど、この足場が必要な工事は塗装だけではないんですよね。雨樋の交換、屋根の工事、外構のフェンスやカーポート設置。こうした工事も足場や高所作業車を使うことがあります。
別々の業者に別々のタイミングで頼んでしまうと、同じ家に対して足場を二度組むことになります。足場代は工事内容にもよりますが、決して小さな金額ではありません。しかも二度目の足場を組む頃には、一度目の塗装できれいになった壁に養生シートがまた張られる。せっかくの新しい外壁に、また傷がつくかもしれないという不安も出てきます。
前職で相談窓口を担当していた頃、長野県にお住まいのお客様からこんなお電話をいただいたことがあります。外壁塗装を先に終えたあと、半年ほどしてから念願だったカーポートの設置を別の業者に依頼したところ、支柱を立てる位置の関係で足場をもう一度組む必要が出てしまった、というお話でした。
「外壁塗装の見積もりのときに、カーポートのことも話しておけばよかった」と、電話の向こうで少し疲れたような声でおっしゃっていたのを、今でも覚えています。悪いのは誰でもありません。ただ、順番を意識していれば防げた出費だったんですよね。こうした声を伺うたびに、同じ思いをするお客様をもう一人でも減らしたいという気持ちになります。
外壁塗装のタイミングで一緒に考えておきたい工事は、思っている以上にあります。給湯器やエコキュートの交換、雨樋の修繕、太陽光パネルの設置、テレビアンテナの位置変更。庭のフェンスや物置の設置も、位置によっては足場や養生の計画に関わってきます。
すべてを同時に工事する必要はありません。ただ、数年以内に予定している工事があるなら、外壁塗装の打ち合わせの段階で業者に伝えておくと、足場の計画や養生の範囲を含めて提案してもらえることがあります。逆に何も伝えないまま契約してしまうと、業者も外壁塗装だけを前提に見積もりを組んでしまうのは自然なことなんですよね。
難しく考えなくて大丈夫です。「実は来年、カーポートを検討していて」「給湯器がそろそろ寿命かもしれなくて」。その程度の一言を見積もりの段階で添えるだけで、業者側の提案は変わってきます。
先日も、外構工事を検討中だと打ち合わせで話してくださったお客様がいらっしゃいました。結果として外構と塗装の足場を共有する形で工事を進めることができ、お客様からは「先に言っておいてよかった」と言っていただけました。業界に身を置いて20年になりますが、こうした小さな一言が数万円単位の差になる場面を、数えきれないほど見てきました。