外壁塗装は、契約から工事完了までが数週間から一ヶ月ほどで、その間はとても手厚く対応してもらえることが多いです。営業担当者はこまめに連絡をくれますし、現場監督も毎日顔を出してくれる。ところが、最終確認と引き渡しが終わった途端に、まるで潮が引くように連絡が来なくなる業者も少なくありません。
これは悪いことをしているわけではなく、契約という一つの区切りがついたからこそ自然に起きることでもあります。ただ、お客様の側からすると「あの熱心さは何だったのだろう」と寂しさを感じてしまう瞬間でもあるんですよね。前職で相談を受けていた頃、そうした温度差に戸惑う声を何度も聞いてきました。
長野県にお住まいのお客様から、こんな話を伺ったことがあります。外壁塗装をお願いした業者から、工事が終わってから三年経った年の正月に、ふと年賀状が届いたそうです。特別な内容ではなく、「その後お変わりありませんか。塗装から数年経ちましたので、気になることがあればいつでもご連絡ください」という、ごく短い一文が添えられていただけでした。
そのお客様は、正直なところ会社名を見てもすぐには思い出せなかったと笑っていました。それでも、わざわざ顧客名簿を見返して、時間を割いて一言添えてくれたという事実に、じんわりと嬉しさがこみ上げてきたのだそうです。「工事している間より、この年賀状をもらった時の方が、この会社にお願いして良かったと思いました」とおっしゃっていたのを、今でもよく覚えています。
大きなキャンペーンでも値引きでもない。たった一枚のはがきです。それでも、人の記憶に残るというのは面白いものだなと感じました。
この話を聞いて私が思ったのは、こうしたフォローが個人の気配りだけで成り立っているのか、それとも会社の仕組みとして根付いているのかという違いです。担当した営業マンが辞めてしまえば、その人の気配りも一緒に消えてしまいます。実際、工事後に担当者が退職していて連絡が取れなくなったというご相談も、これまで少なからずありました。
一方で、顧客リストを会社として管理し、節目の時期に連絡を入れる仕組みを持っている会社もあります。誰が担当だったかに関わらず続く仕組みなのか。そこに、会社としての本気度が表れるように思うのです。派手な広告や立派なパンフレットよりも、こういう地味な部分にこそ、その会社の体質が出るのかもしれません。
工事中の対応や職人の腕前は、業者を選ぶ上でもちろん大切です。ただ、それだけでは見えてこないものがあります。工事が終わってからも忘れずにいてくれるかどうか、というのは、契約前にはなかなか確かめようがない部分でもあります。
もし今、業者選びをされている方がいらっしゃれば、契約前の説明の丁寧さだけでなく「工事後のフォローについてどんな仕組みがありますか」と一言聞いてみるのも良いかもしれません。明確な答えが返ってくる会社かどうかで、見えてくるものがあると思っています。
私自身、弊社を通じてお付き合いいただく加盟店の皆さんにも、工事が終わった後こそ大事にしてほしいと折に触れて伝えています。一度きりの関係で終わらせないことが、結果としてその会社を選んで良かったと思ってもらえることにつながるのではないかと感じているからです。