打ち合わせの「言った言わない」で後悔したお客様を見てきた私が伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年7月5日
外壁塗装の打ち合わせで交わした言葉が、工事が終わった後になって「言った」「聞いていない」という食い違いを生んでしまうことがあります。口約束の怖さを、私は前職の窓口業務で数えきれないほど見てきました。今日はその実体験を交えながら、打ち合わせをどう残しておくべきか、お伝えしたいと思います。

打ち合わせの現場で交わされる、ちょっとした一言

外壁塗装の現場では、契約前後の打ち合わせで色々な言葉が交わされます。「破風板もついでに塗っておきますね」「下塗りはもう一回多めにやっておきます」。担当者の何気ない一言に、お客様がほっとする瞬間を、私は数えきれないほど見てきました。丁寧な口調で言われると、それだけで安心してしまうものなんですよね。

ただ、その一言が見積書や契約書のどこにも書かれていないとしたら、どうでしょうか。工事が終わったあとになって、「言った」「聞いていない」という食い違いが生まれる土壌は、実はこの打ち合わせの場ですでに出来上がってしまっているんですよね。

前職で初めてこの手のクレームに立ち会った時のことを、今でも覚えています。お客様は担当者の口約束を信じて疑わなかったのに、工事後の請求書にはその内容が反映されていなかった。双方とも嘘をついているわけではないのに、記憶と記録の食い違いだけで、関係がぎくしゃくしてしまう。あの時、お客様と業者、両方の言い分を交互に聞きながら、間に立つことの難しさを痛感しました。あの時の空気を、私は今も忘れられません。

なぜ「言った言わない」は工事が終わってから表面化するのか

工事中、お客様は日々の生活で忙しく、現場を隅々まで確認する余裕がないことがほとんどです。足場が外れて初めて全体を見て、「あれ、ここは塗ってもらえる約束だったはずなのに」と気づく。そうした場面に、私は前職時代、何度も立ち会いました。

業者の側にも事情はあります。現場担当者と営業担当者が別の人間で、打ち合わせの内容が社内でうまく引き継がれていないケースもありますし、忙しい現場でメモを取る余裕がないまま次の現場に向かってしまうこともある。悪意はなくても、記録が残っていなければ、確認のしようがなくなってしまうのです。工程が進むほど、後戻りして確かめることも難しくなっていきます。

岡山県のお客様からいただいたご相談

先日も、岡山県にお住まいのお客様からご相談をいただきました。契約前の打ち合わせで、担当者から「使う塗料のグレードを一つ上げておきますね」と言われ、それを楽しみに工事を待っていたそうです。けれど工事が終わって見積書や仕様書を見返しても、その記載はどこにもなかった。

お客様が業者に問い合わせると、「そのようなお約束はしていません」という返事だったそうで、電話口でお客様がとても悲しそうな声をされていたのを覚えています。どちらが正しいかを今から証明する手立てはもうありません。結局、そのお客様は納得のいく説明を得られないまま、この件を諦めるしかなかったそうです。こういうお話を伺うたびに、口約束の恐ろしさを痛感するんですよね。

打ち合わせの内容を「形」に残すためにできること

お伝えしたいのは、業者を疑ってかかってほしいということではありません。ただ、口頭で決まったことは、その日のうちにメールやLINEで一言確認するだけで、随分と状況が変わります。「今日のお打ち合わせで、破風板の塗装も含めていただけるとのことでしたが、こちらの認識で合っていますか」といった簡単な文面で構わないのです。

弊社でお客様にお話しする時も、打ち合わせのたびに書面かメッセージで内容を残すことをお勧めしています。業者側からすれば面倒に感じられるかもしれませんが、きちんとした業者であれば、こうした確認を嫌がることはまずありません。むしろ、快く応じてくれるかどうかが、その業者の姿勢を見極める材料にもなると思っています。社内でも、担当者間の引き継ぎを口頭だけに頼らないよう伝えています。

打ち合わせは、信頼関係を築く時間でもあります。だからこそ、その信頼を後々まで壊さないために、言葉を形にしておく。そんな小さな習慣が、後悔を防ぐ一番の近道なのではないかと、私は思っています。

業界のリアル・まとめ

打ち合わせでの口約束は、悪意がなくても後から食い違いを生むことがあります。決まったことはその場でメールやメッセージにして残しておく、それだけで防げるトラブルが多いように感じています。同じような思いをするお客様を、もう一人でも減らしていきたいです。

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