建設業許可の「名義貸し」、その意味を知らなかったお客様に伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年8月10日
「建設業許可は持っています」と言われると、それだけで安心してしまう気持ち、よく分かります。ただ、その許可証に書かれた名前と、実際に工事をする会社が同じとは限らない場合があるんです。前職で13,000件以上のマッチングに携わる中で、そうした「名義貸し」に関わるご相談を何度か受けたことがあり、今日はその話をお伝えしたいと思います。

①はじめて「許可証の名前が違う」と聞いた日のこと

前職で外壁塗装の窓口を担当していた頃、あるお客様から不安げなお電話をいただいたことがあります。埼玉県にお住まいの60代の女性で、契約前に念のため建設業許可の番号を調べたところ、登録会社名と、営業担当の会社名がどうも違うというんです。

確認すると、その会社は許可を持たず、別の建設会社の番号を借りて「許可あり」とうたっていました。いわゆる名義貸しです。工事は下請けの職人が行い、責任の所在があいまいになる構造でした。お客様は「危うく気づかずに契約するところでした」とおっしゃっていて、その声を今でも覚えています。

②なぜこうしたことが起きてしまうのか

外壁塗装は、工事の規模によっては建設業許可がなくても請け負えます。それでも大きな工事を扱う会社ほど、許可を持つことを営業の安心材料にしたい気持ちが働くものです。

許可取得の手間を惜しみ、すでに許可を持つ知り合いの会社に名義だけ借りる、というケースが業界の一部に存在します。建設業法で禁じられている行為ですし、大半の業者はきちんと自社の許可を取得しています。こうした一部の例があることは、施主の側も知っておいたほうがいいのではと感じています。

③許可証の「名前」をどう確認すればいいのか

確認の方法は、思うほど難しくありません。国土交通省や各都道府県が公開している建設業者検索のページで、許可番号や商号を入力すれば、登録会社名を調べられます。

名刺の会社名と検索結果の会社名が一致しているか。この一点だけでも、契約前に確かめる価値があると思います。名前が違っていたりヒットしなかったりする場合は、遠慮なく理由を尋ねてみてください。

④それでも不安を感じたときに

施主お一人での確認は手間がかかり、何を見ればいいか分からないという声もよく耳にします。弊社では加盟店の審査段階で許可証を確認していますが、それでも「ご自身の目で確かめたい」という方には検索の仕方をお伝えすることもあります。

小さな確認の積み重ねが、大きなトラブルを防ぐことにつながります。もう一人でも同じ思いをするお客様を減らしたい、そんな気持ちで今日はこの話をお伝えしました。

業界のリアル・まとめ

建設業許可は業者の信頼性を測るひとつの目安ですが、その許可が誰のものかまでは意外と見落とされがちです。契約前に許可番号や会社名を検索して確かめる、そのひと手間が思わぬトラブルから施主を守ることにつながります。業界に身を置いてきた者として、こうした小さな確認の大切さをこれからもお伝えしていきたいと思っています。

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