破風板というのは、屋根の三角形になっている面の縁に取り付けられた板のことです。鼻隠しは、雨樋を支えている軒先の板を指します。どちらも普段生活していて意識することはまずない部分だと思います。私自身、前職でお客様にこの言葉を説明する機会が多かったのですが、「初めて聞きました」と言われることがほとんどでした。
壁や屋根と違って面積が小さいので、見積書の中でも数行で終わってしまうことが多いんです。でも、雨樋を支える構造そのものなので、傷んでいると雨樋ごと歪んでしまうこともあります。
雨樋の詰まりや破損は、水があふれるのですぐに気づきます。ところが、それを支えている鼻隠しの板が腐食していても、雨樋自体が一見無事に見えていると、そこまで確認が及ばないことが多いんですよね。業者さんによっては、雨樋の清掃や交換だけを提案して、その奥にある板の状態まで見てくれないこともあります。
新潟県のあるお客様から、外壁塗装の契約後に「足場を組んだら鼻隠しがブヨブヨになっていた」とご連絡をいただいたことがあります。長年、雨樋の継ぎ目から水がじわじわと染み込んでいたようで、板の内部が湿って柔らかくなっていたんです。契約時の見積もりには含まれていなかったので、追加費用の相談になりました。お客様は「もっと早く気づいていれば」とおっしゃっていて、私もその言葉が今でも心に残っています。
木製の破風板や鼻隠しは、塗膜が切れた状態で雨にさらされ続けると、内部から腐っていきます。表面の塗装だけを見ていると気づきにくいのですが、指で押すとへこむような状態になっていることもあるんです。ここまで進んでしまうと、塗り替えではなく板そのものの交換が必要になり、当然費用も上がります。
屋根の軒先という高い場所にあるため、地上から見上げただけでは劣化状況がわかりにくいのも厄介なところです。足場を組んで初めて気づく、というのがどうしても多くなってしまいます。
見積もりを依頼する際は、壁や屋根だけでなく「破風板・鼻隠しの状態も見てもらえますか」と一言添えていただくと、業者さんの対応の丁寧さも見えてくると思います。ここをきちんと写真付きで報告してくれる業者さんは、細部への意識が高い傾向があると、これまでの経験から感じています。
逆に、雨樋周りの説明を一切せずに壁の色の話ばかりする営業さんの場合は、少し注意して聞いてみてもいいかもしれません。小さな部位だからこそ、その扱い方に業者の姿勢が表れるように思うんです。