外壁塗装で出る廃材は、剥がした旧塗膜だけでなく、養生シートや高圧洗浄の汚水、余った塗料の缶など多岐にわたります。これらは「産業廃棄物」として、法律に沿って収集運搬業者や処分業者に委託し、適正に処理する義務が施工業者側にあるんですよね。
工事が終わって足場が外され、庭がきれいになった状態しか、お客様の目には映りません。廃材がその後どこへ運ばれたかは、見えない部分です。そこをきちんとやっている業者かどうかに、会社の姿勢が透けて見えると私は思っています。
前職で「外壁塗装の窓口」に勤めていた頃、忘れられない出来事がありました。ある山間部のお客様の近くの空き地に、塗装工事で出たとみられる廃材が不法に捨てられているという通報が役所にあったんです。どの現場から出たものか特定するのに時間がかかり、あのときのお客様の「まさかうちの工事に関係しているかもしれないなんて」という戸惑った声を、今でも覚えています。
委託先が不適正処理をしていたと分かれば、契約した会社の信用は傷つきます。あのときから、廃材処理まできちんと説明できる業者かどうかを、見極めポイントの一つとして意識するようになりました。
排出事業者には、廃棄物がどこへ運ばれ、どう処分されたかを記録する「マニフェスト伝票」を発行し、保管する義務があります。
すべての業者が聞かれてすぐに提示できるとは限りませんが、「廃材はどこの処分場に運んでいますか」と尋ねて、はっきり答えられるかどうかは確認しておいて損はないと思うんです。言葉を濁されたら、少し立ち止まってほしいんです。
費用の面でも、気になることがあります。廃材処理の費用は見積書に含まれていることが多いのですが、極端に安い見積もりの中には、この費用を削って提示しているケースも見られます。廃材処理を簡単に済ませようとする業者は、他の工程でも手を抜いている可能性があると、長年感じてきました。
契約前に「廃材処理はどうされていますか」とひとこと聞いてみることには、意味があると考えています。目に見える仕上がりだけでなく、見えないところへの誠実さも、業者選びの物差しの一つにしていただけたらと思っています。