一般的な戸建て住宅の外壁塗装は、足場の設置から解体・最終確認まで、おおむね10日前後かかることが多いです。ただ、雨の日は作業ができませんから、天候次第で2週間以上になることも珍しくありません。「思ったより長い」と感じるお客様が多いのは、この天候による延びが読みきれないからなんですよね。
工程としては、高圧洗浄・養生・下塗り・中塗り・上塗りという順番で進みます。このうち塗料を塗る工程では、窓や換気口が養生シートで覆われるため、「その時間帯は窓を開けられない」「換気扇が使えない」という状態が生じます。業者からあらかじめ説明があることが望ましいのですが、おおまかな工程をお客様ご自身も知っておくと、心の準備がしやすいと思います。
工事中に特に気になる方が多いのが、塗料の臭いです。水性塗料が主流になった近年は以前よりかなり改善されましたが、それでも独特のにおいはあります。お体に心配のある方や小さなお子様、ご妊娠中の方は、工事の期間中だけご実家やホテルへの避難を検討されてみてもいいかもしれません。
洗濯物を外に干せないというのも、案外不便に感じる方が多い点です。養生シートが家全体を覆っている間は、ベランダへのアクセスが制限される時間帯があります。塗料の飛散が洗濯物についてしまうリスクもありますから、コインランドリーや室内干しの準備をしておくと安心です。こういうことを事前にご案内できていなかったばかりに、余計な手間をおかけしてしまったというお声が、これまでに複数ありました。
前職での話です。工事が始まって3日目に、担当の私へお電話をくださったお客様がいました。真夏の工事だったのですが、「ペットの鳥を外に出せないし、窓を閉めていると室内が暑くて困っている」とおっしゃっていたんです。換気ができない辛さは、夏の盛りには想像以上だったと思います。
その方は工事前の打ち合わせで、臭いや換気の制限についての説明をほとんど受けていなかったとのことでした。業者に確認すると「一般的なことなので特に説明しなかった」という返答でした。悪意があったわけではなかったと思います。ただ、業者にとっての「当たり前」は、お客様にとっての「当たり前」ではない。この感覚のズレが、小さくない困りごとを生んでしまうことがある。そのお電話のことを、今でも思い出すことがあります。
業界に長くいると、こうした「当然の知識」が当然ではない方への説明が抜けてしまうことがあるんですよね。私が弊社を立ち上げた動機のひとつも、そういった伝え漏れで困るお客様を減らしたいという気持ちがありました。
まず確認しておきたいのが、駐車場のことです。足場の設置や材料の搬入のため、工事初日は大きなトラックが来ます。車を移す必要がある日があるかどうか、業者にあらかじめ聞いておくだけで、当日慌てなくて済みます。
ベランダや窓まわりの荷物も、早めに整理しておくといいんですよね。プランターや物干し竿、室外機まわりの小物など、養生の邪魔になるものや塗料がかかると困るものは、着工前に室内へ移しておくか業者に相談しておきましょう。業者が対応してくれることも多いですが、大切なものほどご自身で管理しておいた方が、後から後悔しません。
インターホンについても、一時的に使えなくなる可能性があります。養生シートで覆われてしまうと来客に気づけないことがありますし、郵便物や宅配便の受け取りも、工事期間中はいつも通りにいかないことがあります。小さなことのように見えて、知っておくだけで「あ、準備しておこう」となりますから。