工事中の電気・水道代を業者任せにして戸惑ったお客様を見てきた私が伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年7月15日
外壁塗装の見積もりを見比べるとき、皆さんは足場代や塗料のグレードには目を光らせても、工事中に使う電気や水道の費用まで気にする方はほとんどいらっしゃいません。実はこの部分、契約書に一行も触れられていないことが多く、工事が始まってから初めて「あれ、うちの電気メーターの数字が増えている」と気づく方がいらっしゃるんです。今日は、見積もりの数字の裏側にある、ちょっとした戸惑いのお話をお伝えしたいと思います。

見積書に載らない「当たり前」のこと

高圧洗浄には大量の水を使いますし、電動工具や照明を使うには電源が必要です。工事を請け負う業者にとって、施主のお宅の水道や電気を借りるのは、ほとんど当たり前の光景になっています。ただ、この「当たり前」が、契約書のどこにも明記されていないことが多いというのが、私が前職から感じてきた違和感なんですよね。

水道代や電気代は、工事全体の金額から見ればわずかなものです。とはいえ、施主にとっては「聞いていなかった」という気持ちが残ってしまうと、その後の信頼関係にまで影を落としてしまうことがあります。金額の大小ではなく、伝えられていたかどうかが大事なのだと思っています。

長野県のお客様からいただいたお電話

忘れられないお話があるんです。長野県にお住まいのお客様から、工事が終わって数ヶ月経った頃にお電話をいただいたことがありました。「先月の電気料金の明細を見て、工事をしていた月だけ数字が跳ね上がっていることに気づいたんです」というお話でした。金額としては大きなものではなかったのですが、そのお客様は「知らないうちに使われていたのかと思うと、ちょっと嫌な気持ちになった」とおっしゃっていて。

業者側に悪気があったわけではないと思います。ただ、工事前のひと言があれば防げた戸惑いだったんですよね。私自身、前職で数多くの施主とお話をしてきましたが、こうした「小さな聞いていなかった」の積み重ねが、工事全体への不満につながってしまう場面を何度も見てきました。

なぜこの話は見落とされてしまうのか

理由の一つは、業者側にとって水道や電気を借りることがあまりに日常的すぎて、あえて説明する項目だという意識が薄いことだと思います。もう一つは、施主側も塗料の種類や色、足場の安全性といった目に見えやすい部分に関心が向きやすく、電気や水道といった生活インフラの話まで気が回らないという事情もあるでしょう。

業界に身を置いて長く感じるのは、トラブルの多くが「悪意」ではなく「説明不足」から生まれているということです。こうした業者を一括りに悪く言うつもりはありませんが、丁寧な説明を省いてしまう現場が一定数あるのは事実だと感じています。

契約前に、このひと言を交わしてほしい

私が施主の方にお伝えしているのは、「工事で使う水道や電気はどちらが負担するのか、契約前に確認してください」ということです。多くの場合、この程度の使用であれば施主の負担で構わないという合意で進んでいます。ただ、それを「当たり前」として済ませるのではなく、口頭でも一言確認しておくだけで、後から感じるモヤモヤはずいぶん違ってくるはずです。

先日も、これから契約をされるという方から「電気代のことを聞くのは、細かすぎて失礼にあたりませんか」というご相談をいただきました。決してそんなことはありません。工事に関わる費用は、金額の大小にかかわらず、施主が知っておく権利があるものだと私は思っています。

同じ思いをするお客様を、もう一人でも減らしたくて

外壁塗装くらべるを立ち上げた理由の一つは、こうした「聞いていなかった」を一つでも減らしたいという気持ちからでした。大きなトラブルではなくても、小さな戸惑いが積み重なることで、工事そのものへの印象が変わってしまうことを、私は前職の窓口業務を通じて何度も見てきたのです。

水道や電気の話は、地味で目立たないテーマかもしれません。ですが、こうした細部にまで気を配ってくれる業者かどうかは、施主とのやり取り全体の丁寧さを映す鏡のようなものだと思っています。皆さんが工事を検討される際には、ぜひこうした小さな確認も、遠慮なく業者に投げかけてみてほしいと思います。

業界のリアル・まとめ

工事中の電気や水道の負担は、契約書に明記されないまま進んでしまうことが少なくありません。金額の大小ではなく、事前に説明があったかどうかが、施主の安心感を大きく左右します。小さな確認を惜しまない姿勢こそが、信頼できる業者選びの手がかりになるのではないかと私は考えています。

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