外壁の隙間に住み着いたコウモリ、塗装で気づいたお客様に伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年9月28日
外壁塗装の現地調査をしていると、思いがけない生き物の存在に気づくことがあります。今回は、外壁の隙間に住み着いていたコウモリについて、実際にあったお話を交えてお伝えしたいと思います。

①羽目板の隙間から出入りしていた、小さな来客

前職で現地調査に同行していた時のことです。長野県のお客様のお宅で、外壁の下見板の合わせ目あたりに黒っぽい汚れが筋状についているのを見つけました。最初は雨だれの跡かと思ったのですが、近づいてよく見ると、隙間の縁が少しすり減っていて、糞のような粒が下に落ちているのに気づいたんですよね。

お客様に伺うと、「夕方になるとコウモリが出入りしているのは知っていたけれど、そこまで気にしていなかった」とのことでした。コウモリ自体は屋外を飛んでいる分には害を感じにくい生き物です。ただ、同じ場所に住み着いてしまうと、糞や体臭がこもって、下地の木部や断熱材が傷んでいくことがあります。忘れられないのは、そのお客様が「まさか壁の中に住んでいるとは思わなかった」と、少し青ざめた顔でおっしゃったことです。

②外壁のどこがコウモリの通り道になりやすいのか

コウモリは体が小さく、1〜2センチほどの隙間があれば入り込めると言われています。外壁でいうと、サイディングの反りやジョイント部分、雨戸の戸袋の裏、軒天と外壁の境目あたりが狙われやすいのです。古い木造住宅だけの話ではなく、比較的新しい住宅でも、施工時のわずかな隙間が原因になることがあります。

業界に身を置いて20年ほどになりますが、こうした被害は塗装の劣化診断だけを見ていても気づきにくいものだと感じています。ひび割れやチョーキングのように分かりやすい劣化ではなく、「隙間」という、見た目には小さな変化だからです。現地調査でどこまで丁寧に見てもらえるかで、こういった見落としは大きく変わってくるのだと思います。

③駆除と塗装、どちらを先にすべきか

先に申し上げると、コウモリのねぐらになっている場合は、駆除と隙間の閉塞を終えてから塗装に入るべきです。塗ってから隙間を塞ぐ順番にすると、コウモリが別の隙間を探して住み替えるだけで終わってしまうことがあるためです。

先日も、別のお客様から「一度塞いでもらったのに、また別の場所から音がする」というご相談をいただきました。糞の清掃や消毒も含めて、専門の駆除業者に一度診てもらうことをお勧めしています。塗装業者の中には下地処理の一環として対応してくれるところもありますが、コウモリは法律上保護の対象になる場合があり、隙間を安易に塞いでしまうと内部に閉じ込めてしまう恐れもあるんですよね。そのあたりは業者にもよく確認していただきたいところです。工期が少し延びることもありますが、後から壁を開け直すよりは、はじめに手を打っておく方が費用も気持ちの負担も軽くなると思います。

④見えない場所への目配りが、業者の質を表す

見積もりの現地調査で、こうした小さな異変に気づけるかどうかは、担当者の経験と丁寧さに左右されると感じています。糞の跡や小さな隙間は、写真だけの査定や、慌てて回る現地調査では見逃されやすいものです。

同じ思いをするお客様をもう一人でも減らしたいという気持ちで、この仕事をしています。外壁の見た目だけでなく、隙間の奥に何が潜んでいるかまで気にかけてくれる業者かどうか、契約前に少し意識してみていただけたらと思います。

業界のリアル・まとめ

外壁の隙間は、思っている以上にいろいろな生き物の通り道になっています。コウモリのように気づきにくいケースもあるからこそ、現地調査の丁寧さが工事全体の質を左右するのだと感じています。

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