アンテナ工事のタイミングを外壁塗装と揃えなかったお客様に伝えたいこと

著者: 山内 竜太 (株式会社外壁塗装くらべる 代表取締役) | 公開: 2026年8月24日
外壁塗装のお見積もりを取っていると、色や塗料のグレードにばかり気を取られてしまう方が多いんです。ですが、屋根の上に立っているアンテナのことを、契約前に業者とすり合わせたお客様は、私が見てきた中でもそう多くありませんでした。今日はそのすれ違いから起きた、ちょっとしたお話をお伝えしたいと思います。

①塗装が終わった翌日、テレビが映らなくなったお客様

長野県のあるお客様から、工事が終わって数日後にお電話をいただいたことがあります。「テレビの映りがおかしいんです」と。慌てて業者さんに確認してもらったところ、屋根に取り付けてあったアンテナが、足場を組む際にわずかに向きを変えられていたことが分かりました。塗装のために一度動かして、また戻す。それ自体はよくある作業なんですが、電波の向きというのはミリ単位で敏感なものなんですよね。悪気があったわけではなく、塗装の職人さんはあくまで塗ることのプロで、アンテナの角度調整までは専門外だったというのが実情でした。

お客様は「そんなに繊細なものだとは思っていなかった」とおっしゃっていて、私自身、前職でこの手のご相談を受けるたびに、業界の中では当たり前でも、施主様にとっては初耳のことがまだまだあるのだと感じさせられます。

②アンテナ業者と塗装業者、日程がかみ合わない現実

そもそもアンテナの取り外しや調整は、塗装会社の仕事ではないことがほとんどです。足場を組んでいる間だけ避けて塗るのか、一度外して塗り終えてから業者を呼んで再設置するのか。ここで対応が分かれます。避けて塗る場合は、アンテナの裏側や金具の部分だけ塗り残しが出てしまうことがありますし、外す場合は電気工事士の資格を持ったアンテナ業者に別途来てもらう必要が出てきます。

この日程調整を後回しにしてしまうと、足場が外れてから慌ててアンテナ業者を探すことになり、結果としてもう一度足場を仮設するような手間がかかったケースも、複数件見てきました。塗装会社にとっては範囲外の話でも、お客様の暮らしからすればテレビが映るかどうかは切実な問題なんです。

③契約前に聞いておきたい、たった一つの質問

私がお勧めしているのは、契約前の打ち合わせで「アンテナは外して塗りますか、それとも避けて塗りますか」とシンプルに聞いてしまうことです。この質問一つで、業者がアンテナの存在をちゃんと意識しているかどうかが見えてきます。外す場合は誰が手配するのか、費用はどちらが負担するのか。ここまで具体的な返事がすぐに出てくる業者であれば、細かいところまで目が届いている証拠だと思います。

逆に「あまり気にしなくて大丈夫ですよ」とだけ返ってきた場合は、少し立ち止まって確認してみてほしいなと思います。最近はBS・CS用のアンテナや、光回線と併用しているご家庭も増えていて、屋根まわりの配線は昔よりも複雑になっていますから。

④小さな確認が、工事後の暮らしを守る

アンテナの話は、外壁塗装の見積書には載らないことがほとんどです。だからこそ、見落とされやすいのだと思います。工事が終わってから「テレビが映らない」「Wi-Fiの調子がおかしい」と気づいても、その時にはもう足場は片付いてしまっています。業者に再訪してもらうにも、追加の日程調整が必要になってしまうんですよね。

契約前のほんの一言で防げることが、意外と多いものです。屋根の上のことは見えにくい分、聞いてみることが一番の確認方法なのかもしれません。

業界のリアル・まとめ

アンテナは外壁塗装の見積もりに含まれないことが多く、業者との事前確認を怠ると工事後にテレビが映らなくなるといったトラブルにつながる場合があります。契約前に「外すのか、避けて塗るのか」を一言確認するだけで、防げる後悔があると感じています。

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